物価高が続く中、政府では「飲食料品に消費税をかけない」という新たな政策が議論されています。 一見すると消費者にとってメリットが大きいように思えるこの施策ですが、事業者側にとっては“どの区分になるか”で負担が大きく変わることをご存じでしょうか。
本コラムでは、現在議論されている「税率0%」と「非課税取引」の違いをわかりやすく整理します。
政府は、給付付き税額控除の導入に向けた暫定措置として、2年間、飲食料品の消費税をゼロにする案を示しています。 ただし、その“ゼロ”の扱い方には2つのパターンがあります。
税率0%(課税取引)
非課税取引
この違いが、事業者の納税額やコストに大きく影響します。
売上の消費税は0円
仕入の消費税は控除できる(本則課税の場合) → 結果として、納付税額は少なくなり、場合によっては還付も
売上の消費税は0円
仕入の消費税が控除できない → 仕入時に支払った消費税がそのままコストに → 利益圧迫につながる
つまり、同じ「消費税ゼロ」でも、事業者の負担は大きく変わるということです。
利益への影響は比較的小さい
本則課税なら仕入税額控除が可能
簡易課税の場合は還付なし
仕入の消費税が控除できず、実質的なコストアップ
価格転嫁が難しい業種では利益減の可能性
値上げや課税方法の見直しが必要になるケースも
どちらの区分になるにせよ、以下の対応が求められます。
飲食料品とそれ以外の売上区分の明確化
レジ・会計ソフトの改修
価格設定の見直し
課税方式(本則/簡易)の再検討
飲食料品を扱う事業者だけでなく、幅広い業種に影響が及ぶ可能性があります。
「飲食料品に消費税をかけない」という政策は、消費者にとっては歓迎される一方で、事業者にとっては制度設計次第で負担が大きく変わる重要なテーマです。